10月12日(土)の勉強会では、
「シッテイング・リスニング(傾聴)サービスをやってみよう」とのテーマで、
講師としてNPO法人“もちもちの木” 竹中庸子理事長
(サブ講師:産業カウンセラー・社会福祉士 伊藤多喜子さん)をお招きして、
介護現場で求められているサービスについて学びました。
参加者には、産業カウンセラー資格者他、
福祉関係のお仕事に従事されている方々も多く参加されました。
理事長ご自身が、耳が不自由でいらっしゃるということでしたが、
パワフルで飾り気のないお話しぶりに、
いつの間にか参加者は引き込まれていきました。
まずは、高齢者の立場を理解するために、緑内障や白内障体験のできるメガネと耳栓をして、館内や近所の商店街を歩きます。
狭い視野、彩色が限定された風景、音が不確かな70歳以上の世界観に、
参加者はそれぞれにショックを受けた様子でした。
普段当たり前のようにできていることが、なかなかできないもどかしさ、怖さ、
そして何より、楽しみが激減するつまらなさに、
「外に出たくなくなる」「全てが面倒くさくなる」などの感想が漏れてきました。
その後、認知症の現状や特徴、これからの日本の現状や求められるサービスや支援についてお話し頂きました。
高齢化社会を迎えるにあたって、身近な人たちだけでなく、
自分自身がいつか体験する可能性のあるリアルな課題として、
他者に何ができるか、自分は何を気をつけたらいいか考える時間となりました。
特に「孤立」という現状が、認知症を加速化していくというお話しでは、
家族だけでなく、地域やコミュニティーがコラボレーションしていく必要があるという未来像をあらためて実感しました。
また、産業カウンセラーとして介護職の方々とは違った「寄り添い」が求められているというお話しがあり、
「傾聴」というより、「ただそこに一緒に居る」ということが必要だということでした。
繰り返し話される話しは、いちいち共感するというより、
その度に忘れて初めて聴くという姿勢が求められるなど、あ
らためて「相手の世界観に寄り添う」基本を学ぶ機会となりました。