11月15日、岡山で池見先生をお招きし、一般会員研修「フォーカシング」講座を開催しました。
昨年の今頃、大変お忙しい先生なので断られても仕方がないと思いつつメールでアポイントを取ったところ、すぐにお受けしますと返事が来たときには小躍りするくらいうれしかったのを覚えています。有名な先生から直接お話が伺え、しかもライブでカウンセリングを実演くださるなんて滅多にない機会、会員研修部担当者としては、何としても皆さんに聞いていただきたい講座でした。
お知らせの効果もあってか、満員の受講者を受け入れるために会場準備をしておりましたところ、先生がひょっこりお越しになり、「机はいらない。椅子を円形に並べてください。」と言われた時には、正直???でした。その謎は講義中の「机を並べて講義することに、私のフェルトセンスが嫌だと言ってたので」で解けました。
先生を円形に囲んで、会話をするような講義のスタイルのなかで話は進んでいきました。
まずは理論をわかりやすい言葉でひとつひとつ説明していただきました。
① カール・ロジャースとユージン・ジェンドリンとの関係
② カール・ロジャースの言いたかった傾聴とは何か
③ リフレクティブ・リスニングとは
④ フォーカシングと体験過程
⑤ フェルトセンスの特徴
⑥ 体験過程尺度(EXPスケール)
先生がアメリカ留学時に勉強されていたこと、実際にジェンドリン博士から聞いた話の内容を私たちもまるでそこにいたかのようにお聞きすることができました。
特に体験過程尺度(EXPスケール)を使って実際の逐語を判定していくワークは、クライエントの気持ちの変化や気づきを尺度によってわかりやすく判断できるという点において、非常に興味を持った方が多かったようです。
午後からは、受講者の一人と先生が実際にカウンセリングをされているところを、オーディエンスとして見ることができました。先生の言葉選びや使い方、間の取り方、待つ姿勢などすべてが勉強になりました。フェルトセンスを感じて言い表していく体験過程を通して、クライエントが気づいていく。感覚的なものを言葉で言い表せる日本語は、フォーカシングにはぴったりなのだそうです。
受講者の声
受講した方が、再度池見先生の話が聞きたいと言われていたように、実りの大きいとても充実した内容でした。振り返りの容姿に書かれていた内容の一部を紹介します。興味を持たれた方は、次回はぜひご参加ください。
○池見先生ご自身が体験されたこと、感じられたことをご自身の言葉で語られていたので、話が心地よく入ってきた。多くのことを学んだが、なかでも感じることはその人が「どうあったらよいかをすでに知っている」「解決の仕方を必ず知っている」という言葉が心に残った。
○講師との距離がとても近く、リラックスした中で学べた。期待通りの興味深い内容。特にロジャースとジェンドリンの関係や違い、傾聴の正しい(本来の)解釈など、大事な点を学ばせてもらった。今の自分のカウンセリングに取り入れたらいいと言われたのが、フォーカシングをぐっと近くに感じることができた。
○「フォーカシング」を知ってから、ずっと気になっていた。学習する機会がなかったが、今日一日とても有意義だった。技法にとらわれずことばにとらわれず、身体が感じたことに関心を寄せる。池見先生の言葉はすべて優しく涙が出そうだった。人を大切にすることを学ばせていただいた。
○今まで受けた講座の中で、一番良かった。「もっと自然体のカウンセリングはないのか」「カウンセリングはもっと自由であってよいのではないか」と日頃から思っていた。自分も大切にし相手も大切にするカウンセリングの基本を見せていただいたようで、気持ちが楽になった。