10月24日・25日と2日間にわたり,岡山市のきらめきプラザにおいて「アサーション研修」を開催いたしました。
以前から学びたいという会員の皆様の声をどうにか形にしたいと思い、半年以上かけて交渉し、やっと開催にこぎつけたのでした。
お招きした八巻甲一先生は、日本にアサーションを紹介した第一人者である平木典子先生とともに、アサーション・トレーニングのプログラムを開発し、30年以上にわたってその普及と発展に尽力されてきた株式会社日本・精神技術研究所の取締役兼講師として活躍されている方です。
県内外から集まっていただいた35名の受講者とともに、講座運営を担当する私もワクワクしてその日を待ちました。
<1日目>ワークで新しい発見、心で頭で体で感じて・・
アサーションの歴史に始まり、ノン・アサーティブ、アグレッシブ、アサーティブの3つの自己表現について勉強しました。カウンセラーに求められるアサーションとはどういうものかを考え、日頃の自分がアサーティブに表現できているかを話し合いました。
また、アサーティブに表現してもよいということを、基本的人権の視点から確認することも行いました。
事前に出されていた在宅課題で、アサーションについての簡単な知識は学習してきたものの、実際にお話を伺うにつれてどんどん奥深くなり、さらに疑問が増えていきます。
先生の「あなたが質問することで、何人かがホッとしますね」の言葉に、躊躇していた方もわからないことを質問していくような活発な講座になりました。
グループワークを通して、自分だけでは気付かない考え方やとらえ方を学び、実際にやってみることで新しい発見があり、そして自分なりにアサーションとはどういうことかを心で頭で体で感じていきます。
<2日目>どうコミュニケーション?さらに掘り下げて考える。
グループワークでアサーティブに頼む、断るということをロールプレイを通じて学びました。実際にやってみると、なかなかうまくいかないのが理解でき、日頃からやらないといけないのだなと思いました。
感情の取り扱いのワークでは、「怒り」の感情について理解を深めました。怒りより弱い感情(第一感情)のうちに少しずつ小出しにすることでコントロールしてくとよいと聞き、「怒り」の感情をため込まず、アサーティブに表現して出していくことが大切と気づきました。
問題解決のためのアサーションとしてDESC法についても学習しました。互いの要求・意見が異なるなど、葛藤が生じやすい場面や、相手と交渉したり、混乱している話を整理したい場面において自分の気持ちや考えをアサーティブに表現するためのセリフづくりを学びました。グループことにまとめ発表しましたが、ここまでくると、さすがにカウンセリングを勉強されている皆さん、うまくまとめておられました。
アサーションとは、「自他尊重の自己表現」という意味ですが、自分も相手も大切にしながら、素直に正直に自分の気持ちや考えを伝え、話し合うことです。
アサーションによる自己表現とは、単なる自分の「自己主張」や「言い方」ではなく、相手に配慮しながら相手とどのようにコミュニケーションするかについて掘り下げて考えることが含まれています。
学びを日常生活で実践しよう
今回は2日にわたってアサーションの基本を勉強していきましたが、これで十分ということはありません。日常生活の中でアサーティブな表現ができなければ意味がありません。
しかしながらカウンセラーとして必要なスキルを学んだことで、今後どのような対応を心がければよいかがきっと理解できたはずです。これからもさらに学びの姿勢を忘れずにクライエントに接していただければと願っています。