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2012.6 実施したキャリコン講座のまとめ

2012.12.07

本年度『キャリア・コンサルタントC・C講座』の模様を、塚田和子が取材しました。

【個性あふれるトレーナーと共に】

C・C国家資格である技能検定取得への動きもあってか、C・C標準資格となる産業カウンセラー協会認定、C・C講座も年々受講生が増加し、今回も中国地方だけでなく、遠くは長崎県からの参加者も含め48人が集まりました。

5/12~のC・C基礎知識講義に加え、特に6/9~4日間(30時間)の実技講座では、中江廣一チーフトレーナーをはじめ11人のトレーナーと共に、“熱い”時間が繰り広げられました。毎回個性の違うトレーナーとの出会いは、自分がめざすC・Cモデル探しにも繋がります。

初日は、2人のトレーナーによるC・Cモデリングが行われました。皆さんの食い入るような視線が、ぶっつけ本番のコンサルティングにいっそう緊迫したライブ感を醸し出していました。

その後は、用意された7つの事例をもとに、「自己理解」「仕事理解」「情報収集・提供」「問題把握」「目標設定や達成への助言」「啓発的経験への助言」などのプロセスをロールプレイで身につけていくトレーニングを繰り返しました。

【質問ができない?!】

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C・C講座では、傾聴をベースにしながらも「CLの具体的な問題解決の糸口」を発見する視点を意識したプロセスが求められます。しかし、前半戦の皆さんが苦しまれたのは、CLが自己理解を深めるための「良質な質問」ができないことだったようです。受講生からは

「養成講座では、できるだけ静かにCLの話しを聞くように学んだが、その習慣が身に付いているため積極的な質問ができずに悩んだ。」

「傾聴で流しているところがあった。」

「CL本人の問題に、一歩踏み出して掘り起こししてはいけないのではないかという遠慮がC・Cの幅をとても狭くしていると思った。」

「問題から逃げてしまう姿勢があることに気づくことができた。」

「質問することに臆病になっていた。」

などの素直な声があがっていました。

【中性的問いかけ & 漂う】
後半戦になると、「質問してもいいんだ」という免罪符を得た開放感に促されるように、受講者の皆さんからは積極的な質問が自由に飛び出すようになったようでした。一方で、「問題を明確化していく」「具体的な解決の糸口に導く」ために、いつしか質問攻めになる傾向が目立ってきたようでした。トレーナーの面々から、カウンセリングの原点に立ち戻る発言が随所であがりました。

「相手の自己理解深めるためには詰問ではなく、 “発問”する(自ずと疑問をもつ)ような接し方が大切では?」

「CLを導くのではなく一緒に解決していこうという姿勢、が必要では?」

など、細かいスペックをするどく精査するような質問より、もっと曖昧で大枠な“中性的な”問いかけを、また、しばらくはCLの世界を一緒に“漂う”時間が必要であることが指摘されました。受講生からも、

「自分では寄り添っていたつもりが、CLが置いてけぼりになっていることに気づけず、逆にひきずり回していたことを知らされたときは、顔から火が出るほど恥ずかしくショックを受けた。」

「例えば『すごいですね』というC・Cの自己開示もC・Cの解釈になると迷いながらやっていたけど、それは価値観を押しつける形になった場合で、CLの流れに添っていれば、逆に自然とCLの足下を照らすことになるのだと実感した。」

などの気づきが聞かれました。

【感動的なグループ・ダイナミックス】

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最終日、ファシリテータとして、グループカウンセリングを促進する体験。

「働くということ」「職場で生きがいを感じるとき」などのテーマについて話し合い、各々の自己洞察を深めます。

受講者だけでなく見守っていたトレーナーからも「言葉のシャワーを浴び感動しています。」と涙が見られるようなグループダイナミックスの醍醐味が各グループみられ、単なる資格取得を越えた収穫が得られたようです。最後の総合学習では、「落ちてもいいから私らしくやってみようと思ったら何かが吹っ切れた」という受講者もいるほど、それぞれの成長が随所で見られました。

【自分らしさを産む苦しみ】

チーフの中江トレーナーは、「たとえ初心者であっても自分にあったC・Cを目指して欲しいと思い、個性を尊重し、あえて枠にこだわらず、自然に理解を深めてもらおうと講座を進めました。しかし、個性を尊重するということは、一方で主体的に考え、悩み、実践しなければならないという厳しさが求められる面もあります。自律的姿勢がないとついていけなかったり、自分らしさの産みの苦しみに涙する方々も多かったと思います。」と振り返ります。

また、今回はそんな受講生の皆さんの素直な葛藤を自己開示して頂く機会が多くありました。その胸のうちが教室全体に波及するにつれ、予想外の化学反応が個々に起こったようです。

「CLに何が必要なのだろうと、真剣に考えるようになると、いつの間にか良質な質問が出てくるようになった。」

「現在、某機関で相談員をしているが、面談が始まる前から上から目線になっていたことに気づき反省した。」

「実技演習、グループダイナミックスのすごさを感じ、トレーナーさんの包容力に感動した。」

「足りない部分は研鑽しながら、自分の持ち味、スタイルに自信を持ち、CLに安心感を与えるC・Cをめざしたい。」

「私は現在脱サラして独立しているが、退職前に相談できるC・Cが居たら、もしかしたら会社を辞めなかったかもしれない。だからこそ今後は、自分のような人に寄り添えるC・Cになりたい。」

「毎回グループを組み替えてもらったのでネットワークが広がった。」

「『これはダメ』『この言葉は使わない』などもなく、自由な雰囲気で勉強できたので、心が痛むことなく通えた。」

「カウンセリングとはCLとCOの成長だと実感した。」

皆さんの感想から、傾聴姿勢を土台に現実検討を促すことのできる「産業カウンセラーC・C」の強みを我々も再確認し、、皆さんの潜在力にパワーを頂きました。 8月の試験&合格祈願!

 
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